借金の返済が滞っている場合、法律を利用した解決方法「債務整理」があります。
この債務整理は、「任意整理」「民事再生」「特定調停」「自己破産」といった主に4つの手続きでの解決になります。
今回はこの中でも裁判所を通した手続きである特定調停についてのメリットやデメリットをまとめてみました。
そもそも特定調停とは、借金の返済が滞りつつある債務者の申立により、簡易裁判所がその債務者と債権者との話し合いを仲裁し、返済条件の軽減などの合意が成立するよう働きかけ、債務者の経済的再生を図る手続きで、平成12年2月から施行された新しい債務整理制度になります。
この特定調停では、任意整理と同様に利息制限法で引き直しをした後の債務を3年以内で分割して返済していくことになります。
また、特定調停を利用できる人は以下のように限られます。
特定調停のメリットは、任意整理と同様に借金をした時に遡り、利息制限法の上限金利まで金利を引き下げて再計算することにより借金を減額することが可能というメリットがあります。
また、任意整理と同様、どの債権者と合意するのかを自由に選ぶことができます。
例えば、銀行や自動車のローンの債権者だけを外して特定調停をし、住宅や自動車等の財産を維持するといったことができます。
また、資格制限がないため、通常、自己破産すると就くことができない職業も利用できるというのも任意整理と同様です。
この他にも、すでに行われている強制執行手続も裁判所に「民事執行停止の申立」を行うことで停止できることもあります。
特定調停には様々なデメリットも存在します。
特定調停を申し立てるには、申立書の他に、関係権利者一覧表や財産の状況を示す明細書が必要となります。
さらに、債権者との話し合いを行うため簡易裁判所に出廷する必要もあります。
また、特定調停の申立を自分で行う場合は、これらの複雑な手続をすべて自分で行わなければいけません。
特定調停を申し立てを行うと、債権者からの取立行為は止まることが原則ですが、申立を行うには各種の書類等を作成・準備する必要があります。
この手続きに時間がかかってしまうと、その分だけ債権者からの督促が止まるまで時間がかかるということになります。
そのため、弁護士の受任により債権者からの取立てがすぐに止まる任意整理に比べると、取立行為が止まるまで時間がかかる場合があります。
この特定調停は、あくまでも、「現在の借金を利息制限法の上限金利に引き直して減額された借金をどのくらいの期間で支払っていくのか」という合意をする制度なので、過払い金を回収する制度ではありません。
そのため、過払い金が発生していた場合は、別途として過払い金返還請求訴訟を裁判所に提起する必要があります。
この特定調停が成立すると、調停調書が作成され、債権者はこの調停調書により強制執行を行うことができます。
そのため、調停調書に沿った返済ができなくなった場合、直ちに給料の差押えなどの強制執行がされてしまう危険性があります。
この特定調停は、必ず債務整理の専門家が調停委員が行うというわけではありません。
そのため、引き直し計算をしない調停や将来利息を付した調停など、結果的に申立人にとって不利な調停内容になる場合も考えられます。
そもそもこの特定調停は、債権者との合意に基づく債務整理方法なので、債権者が同意しないと調停が成立せず債務整理を行うことはできません。
では、この特定調停は、一体どのような流れになるのでしょうか?
この特定調停に掛かる費用や料金ですが、依頼する法律事務所(弁護士・司法書士)ごとによって異なります。
そのため、特定調査を行いたいという方は、一度、法律事務所に相談してみましょう。
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タグ | 借金,特定調停,メリット,デメリット |
作成日時 | 2016-11-24 17:09:08 |
更新日時 | 2016-11-24 17:09:51 |
借金を返済する事が全く不可能な場合に行うのが、自己破産です。
破産というとあまりいい印象はありませんが、借金が返済できない時に考える方法の一つです。
全ての借金を帳消しにできる最終手段的な方法で、自分ではどうしようもない場合はこの方法を使います。
支払額を減らす事で、借金返済が可能になる場合に行うのが任意整理です。
ただ、任意整理は、全ての債権者(借入先)1社づつと債務に関する交渉が必要となるため、非常に難しい方法になります。
そのため、自分で行うというよりは、弁護士などが行う方法です。なんでも任意整理をした人が500万人近くいると言われています。
特定調停とは、特定の債務者(借主)に関する調停という意味です。
簡易裁判所に申し立て、調停委員を仲裁役として、債務者の経済的再建を支援する制度です。
調停なので、貸主、借主側双方の合意が必要となりますが、借金の元金を減らす事が出来る可能性があります。一度相談してみてもいいかもしれません。
銀行などの金融機関に住宅ローン借入があり、自宅を手放したくない場合に行う方法が個人再生です。
自己破産すると所有物件を、競売や任意売却などで手放す必要があるため、救済措置としてできた民事再生法という法律の中の手続きのひとつで、比較的新しい方法です。
ただ、個人再生を申し立てるには、弁護士に再生計画を作成してもらう必要があります。